ラブホ戦記

実際にあった事件や個人の経験をもとにしていますが、そこは大人の事情として、フィクションだと思ってもらえるといいな。(文章・イラスト・マンガ:じぇんじぇん)

「ラブホ戦記/番外編」令和元年。5月1日(水)

夕刊フジ」の「ラブホ戦記」に書きたかったネタだが、締め切りと掲載号とがうまく噛み合わなくて、原稿にできなかったのだ。せっかくのネタを1つ損したのだが、改元の記念にここに書いておく。

***ラブホで令和を迎えた話***

平成から令和にかけて、オレはラブホにいたよ。…仕事で。

平成最後のセックスをするカップルと令和最初のセックスをするカップルで、かなり忙しかったよ。

というわけで、改元をラブホで迎えたのだが、よりによって4月30日、23時55分に客室から退出したカップルがいた。平成のラスト5分。あと5分で改元、マジで令和の5分前だよ。

モニターの退室表示を見た後輩従業員に「(清掃に)行きますか?」と聞かれたので、オレは言ったよ。

「いや。我々は令和になるまで動かない!」

今、考えると、なんかカッコいいセリフだったような気がしなくもない。

令和を迎える瞬間、従業員室にテレビを観ている後輩を残して、オレは1人でラブホの屋上にいたよ。小雨のなか、あちらこちらのラブホのネオンライトが光っているよ。

その時、遠くの方で、大きな歓声が上がっていたよ。

何かいろいろと面白くなるといいね。…わからないけど。

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